中学生のお子様が突然学校に行かなくなる。朝起こしても、起きようとしない。学校に行こうとしない。
そんなお悩みはありませんか?
突然子供が学校に行きたくないと言い出したら、親としてはとても心配になりますよね。
私の息子もこのような経験をし、不登校の時期が約1年半続きました。
私の場合は、息子が不登校になったあと、数ヶ月は一緒に住んでいましたが、家庭の事情で離ればなれになりました。
なので、普通の家庭とは違う状況かもしれませんが、少しでも似たような環境の方の参考になればと思い紹介させて頂きたいと思います。
読み終わったときには、前向きな気持ちになって頂けたり、今後に少しでもお役に立てればと幸いです。是非最後までご覧ください。
子供たちの現状
今、「学校に行かない子どもたち」がとても増えています。
小・中学校の長期欠席者は41万人(うち不登校が24万5000人・令和3年度)にのぼり、過去最高を更新しています。
私は只今44歳ですが、私が中学生の頃は不登校の生徒は学年に1人か2人いるくらいでした。私の中学生活3年間のクラスには不登校者はいませんでした。
中学生の不登校生徒数は8年連続で増加し、過去最多となっています。年々、不登校者は増加の一途を辿っている状況であり、クラスに約1人は不登校者がいる状況になって来ています。
不登校生徒数と割合:文部科学省の統計データ
生徒数に対して不登校が占める割合
小学校で1.0%、中学校で4.1%、高校で1.4%
私の息子もそうでしたがお昼から通学したり、保健室で過ごす生徒もいます。
それを考えると、多くの保護者の方が悩み、たくさんの生徒が苦しんでいる状況が見えてきます。
不登校になる原因
今まで元気に登校していた子供が体調不良を訴えて、遅刻や欠席を繰り返すようになる。親としては、なんとか学校に行ってほしいという気持ちになります。
文科省のデータでは、不登校になる原因は大きく分けて「本人」「学校」「家庭」に分類されています。不登校の要因としては学校起因(21・2%)、家庭起因(12・3%)、本人起因(61・4%)というデータを出しています。
ご覧の通り、不登校の原因が本人に起因する割合が最も多いのが現状です。
♦本人に関わる原因
・無気力、不安
・生活リズムの乱れ、あそび、非行
・病気、けが
♦家庭に関わる原因
・家庭内の不和
・親子関係
・家庭での生活環境の大きな変化
・経済的な理由
♦学校に関わる原因
・いじめ
・いじめを除く友人関係をめぐる問題
・教職員との関係をめぐる問題
・学業の不振
・進路に関わる不安
・クラブ活動・部活動等への不適応
心の発達と身体の急成長
思春期の子供たちは、自我同一性という心の発達段階の曲がり角にあります。自意識が強くなっている反面、周囲の目がとても気になります。思春期になって周囲の人との心の距離のとり方がわからず、心を閉ざして、人との接触を避けたりする子もいます。
私もそうでしたが、思春期の時のことを自分では忘れてしまっていることがたくさんあると思います。
今思えば、思春期は周りと距離感がうまく取れないこともありました。時には、イライラしたり、友達とのトラブルも多少はあった気がします。
思春期の子供は、自分のことを進んで親に話そうとはしません。だからこそ、子供の話を今まで以上に聴いてあげたほうがよいと思うのです。もしかしたら、助けを求めるSOSを発信してくれるかもしれません。
子供が学校に行けなくなることが続くようになってきた時、子供との関わり方に対して考えられさせました。
「子供を学校に行かせたい」
これは、私の気持ちです。しかし、
「子供は、学校に行けない、行きたくない」
子供は、そう思っている。
無理に学校に行くことを進めるよりも、もっと子供の意見を聴いてあげたり、一緒に居て安心する環境をつくってあげるほうが大切ではないのかと。
学校に行くことを強制するのではなく、子供の気持ちを理解してあげたい。
きっと本人の方が悩みや不安、色々な感情に押し潰されそうになっているのだろう。。。
子供の気持ちを最優先する方が子供にとって良いのではないかと。。。
それでも、子供がずっと学校に行かなくなったら、一生を棒にふってしまわないか?ということも正直考えました。でも、親から見守られているという安心感が子供の最後の砦になると信じることにしました。
そのようなことも私と妻では考え方が違っていたところかと思います。どちらかと言えば、妻はなんとしても学校に行かせたい人間です。
「自分の学生の頃は、嫌でも行っていた」
「学校に行かなかったら、授業が遅れる」
「給食費を払っている」などなど。。。
そんな言葉を聞くことが私としては本当に辛かった。
もちろん、妻の気持ちも理解できます。
子供の将来の為を思って言っていることもわかります。子供のことを一番に考えない親はいません。今まで、妻が一番近くで子供を見ていてくれたことも全て理解しています。妻がいてくれていたからこそ、子供が育って来てくれた事も。。。
やり方や方法は違えど子供に注ぐ愛情の量に変わりはありません。
それが、わかっているからこそ、ひとつひとつの言葉を聞くのがつらく感じたのです。
しかし、子供はいつか母親と父親の両方が子供を大切にしている気持ちを理解してくれると思っています。今も充分、理解してくれていると思いますが。。。
そのような中で、妻との別居生活がはじまりました。
一番一緒に居てあげたい時に、息子と離れ離れになることは本当に辛かったです。何よりも近くで話を聴いてあげれないこと、本人を安心させてあげられないことがとても悔しかったです。いつも寝食を共にしてきましたし、子供という存在が毎日の私の活力になっていたからです。
別居後も息子は私との関わりを持ってくれ、会うことが出来ました。家に遊びにも来てくれ、話をしたり、ご飯を食べたりしました。
暗いトンネルからの出口
ある日、ネットで不登校について調べていると、ある記事が目につきました。
「朝が起きられない。起きるのがかしんどいという。時々お腹も痛くなる。お昼ごろからは、体が楽になる。昼間は、ゲームも楽しくする。夜になるとバラエティ番組を見てゲラゲラ笑う。夜は、寝付けなかったり、よく眠れない」
全てのことが私の息子とあてはまっていました。
その時の衝撃は凄まじく、少しでも改善があればと思い調べることにしたのです。その病気を知ることがこれからの子供の改善のヒントになるのでは?一筋の光が指した気がしたのです。
それが
起立性調節障害(OD)
です。
起立性調節障害は交感神経や副交感神経という自律神経のバランスが乱れることが原因で起こります。自立神経は自分の意思に関わらず、人間の身体をベストの状態に保ち続けてくれるのです。
人間の身体は、生きていく中で、生命の維持に必要なことを自律神経のはたらきによって行うことができています。
起立性調節障害に罹患すると、起床後に交感神経が適切に反応しないため立ち上がると脳への血流が不足してしまい様々な症状が出てきます。
特に中学生の場合は、急激な成長期の真っ只中にあります。そのため、自律神経のバランスが乱れる原因が多く存在します。
急激な肉体の発達や成長により、心臓からの送り出される血液がと脳へとしっかり届かないため脳血流が低下しやすくなることや、女性であれば月経開始に伴うホルモンバランスの変化が自律神経にも影響することが挙げられます。
精神的にまだ成熟していないため、環境の変化に伴うストレスを成人よりも大きく受けやすいです。そのため、自律神経のバランスに影響が出やすくなります。ストレスは交感神経に大きな影響を与えてしまうため、中学生という時期は、起立性調節障害の発症を誘発しやすい時期なのです。
調べているうちに、不登校の約半分近くが、起立性調節障害の可能性があるという事がわかりました。
起立性調節障害は、時に「怠け病」に誤解されてしまうことがあります。
私の息子もそうでしたが、「寝付きの悪さ」「朝起きの不良」がありました。あと、寝ても途中で目が覚めて寝れなくなることもありました。
起立性調節障害でなくても、そのようなことがあれば、生活リズムが崩れてしまいます。このようなことが続くようになり、息子も自律神経のバランスが崩れていってしまいました。
学力の低下もありました。小学校までは成績も悪くなく、集中力もあったと思います。
起立性調節障害では、体位変動による循環調整が悪くなり、脳血流が低下します。当然、思考力や集中力が低下することによって学習意欲が落ちていくことも納得いきます。
成長とともに起立性調節障害は改善していくということあるそうなので、長い目で気長に子供と向き合おうと心に決めました。
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父から知らずのうちに学んでいたコミュニケーション
また、子供の心の問題も考えるようになりました。
私が1番大切だと思ったのが、子供の心の安定です。
まずは、保護者が『心の平静』を取り戻し、ゆっくり見守ってあげることです。
親と言う字は、木の上に立って見ると書きます。子供を少し離れて見守ることも必要です。
親が子供の行動を理解出来ず、責めたり、小言を言い続けていても喧嘩は続き、売り言葉に買い言葉で、永遠に問題は解決しません。それどころか悪化の一途を辿ってしまいます。時には、心の持ち方を変えて、子供の心の回復を見守ることも必要だと感じました。
親の心の安定こそ、子供の心の安定に影響があると思いますし、親の心の安定がなければ、子供に対して適切な対応がとれなくなってしまいます。
今も、息子とは別々に暮らしています。
しかし、たまに家に来てご飯を食べたり、話をしたり、マッサージをしてあげたりしてコミュニケーションをとるようにしています。
マッサージは、子供の頃に私が父親にしてもらっていたことです。幼少期に野球というスポーツを通して、父と繋がっており、痛みが出たり、疲れがたまると良くマッサージしてもらっていました。
中高と反抗期で父とたくさんぶつかりましたが、今はあの時の父の優しさに感謝しています。
子供にもマッサージを行うことで血流も良くなってくれればという思いがあります。また親子のスキンシップや心の安心に繋がればと思い、遊びに来たら必ずマッサージをしています。
前向きな姿勢と言葉
そんな私にも嬉しいことがありました。
3月の末に二人で花見に出かけました。その帰り道に
『3年になったら、学校行くわぁ』
今までとは、ちょっと違う前向きな言葉を発してくれたのです。あの言葉は忘れることはありません。
学校に行くと言ったことより、前向きな言葉を久々に聞いた気がしました。そのことに感動してしまいました。
そして、新年度に入り、息子がずっと登校しているのです。子供の事に関しては妻にも感謝しています。
嬉しい気持ちと無理はしていないかなぁという両方の気持ちがあります。子供にとって体調不良があり、精神的にも疲れがある中での登校は、想像以上に大変だと思うのです。息子の行動に一喜一憂することなく、子供の様子を見守りたいです。
子供には、長い目で人生を考えてほしいと願います。息子も近い将来に自分のやりたい事や目標をもってほしいなぁと思います。
小さい頃は、自信を持って夢を私に語ってくれてました。少しずつで良いので、日々小さな行動を起こし、自己肯定感を高めてくれる事を祈ります。
親として大切なのは、これからの道筋を示し、子供が自主的に歩めるように導いてあげることだと思います。
子供が自ら動き出すまで、じっくり見守ろう。
結果だけを見ず、途中過程の頑張りに目を向けてあげよう。
今は、辛くとも必ずあの時があったから、『今の自分がある』と気付く未来が必ずあります。
いつか気付けると思うよ。その病気を経験したから、今が楽しくすごせるんだって。
もし、子供が不登校になってしまったら、親も子供もたくさん悩むと思います。
自分の息子に限ってと思う方もいらっしゃるかもしれません。私もその一人でした。
ですが、不登校は実は身近な問題になりつつあります。私の周りにも、同じように学校へ行けないという人がたくさんいます。
昔と違い、学校以外に学ぶ場所はたくさんあります。インターネットの普及により、学校で学ぶことしか出来なかった事も学べるようになっています。みんなと違っても別に良いと思うのです。みんなと同じカリキュラムを同じ場所で、集まって学ぶスタイルでなくてもよいのでは?とも思います。人それぞれに個性や性格があります。得意、不得意もあります。
何より興味があることに没頭できるくらいに好きなことを見つけてほしいです。
小さな行動でも少しずつ積み重ねていけば、その行動からまた新しい意欲や行動が生まれてきます。
嫌がっているのに無理に学校へ通う必要はないと思います。無責任と思う方もいるかもしれませんが、私はそう思います。
不登校で悩まれている親子の皆様へ
本当にいつも子供のことを気にかけ、子供に愛情をもってあげているからこそ、思い悩むと思います。随分と長い間つらい思いをしている方もいると思います。本当に大変だと思います。
自分を責めたり、家族についあたってしまったり、子供と意見がぶつかったり、自分の不甲斐なさに打ちのめされたり。。私もそうでした。
子供は、自分の子供です。最後は、信じてあげましょう。あふれんばかりの愛情を持って接してきた素晴らしい子供のことを。
私の息子も今年度に入り、登校できている状況ですが、もしかしたら以前のような生活に戻るかもしれません。だとしても、子供は安心できる場所があれば、また動き出してくれると思います。
不登校に関しては、簡単な問題ではないと思います。周りの理解が必要ですし、長いトンネルをいつ抜けられるのかという不安は、計り知れないものです。
『心の平静』を心掛け、この経験が子供にも自分にもかけがえのないものになることと信じ願います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。読んで下さった方が笑顔で前向きになれることを願っています。
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